甲状腺ホルモンにはT3およびT4というホルモンがあります。このホルモンをコントロールしているのが TSH(甲状腺受容体ホルモン)です。T3あるいはT4ホルモンが低下するとTSHは上昇し、 T3,T4が上昇するとTSHは低下する、といったフィードバック機能があります
T3,T4といったホルモンは、血中では大部分が蛋白と結合した型で存在し、一部は遊離した型で存在します。 遊離型をフリーT3,フリーT4(FT3,FT4)と呼びます。 一般的には蛋白の影響を受けないFT3やFT4を測定し甲状腺機能を診断することが多いようです。
FT3は肝臓でFT4から作られるため、FT4がより甲状腺の機能を反映しています。
FT3やFT4が上昇したものを甲状腺機能亢進症とよび、体重減少、発汗亢進、動悸、手のふるえなどの症状を認めます。
TSHは前述したフィードバック機能により低下し、更に脂質代謝にも影響し、総コレステロールは低下します。 これらの症状・所見に眼球突出などの身体的特徴を伴うものをバセドウ氏病と呼ばれます。
FT3あるいはFT4が低下し、TSHが上昇しているとき、甲状腺機能低下症と診断されます。
一般外来では甲状腺機能低下症のほうが甲状腺機能亢進症より、多く認められる疾患といわれています。 中年の女性に多く、原因として自己免疫性疾患が考えられます。症状は機能亢進症とは逆に全身倦怠感、覇気がないなどの「うつ状態」様の症状や
むくみなどの所見が現れます。
一般外来では総コレステロール上昇の原因追究時に発見されることがあります。